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2005年 04月 28日
アクシデント
事故で母親を亡くした僕にとって今回の悲惨なJR事故は、
テレビの中の非日常な出来事だけとは済まない感がある。
日常から信じられないくらい突然に、愛する人が存在しなくなる。
僕も事故直後実家に駆けつけたとき、まだ全然母が存在する家の中の空気を感じた。
キッチンのレンジの鍋の中には、彼女がその朝に作った煮物があきれるほどあたりまえに残っていた。
「最後のお袋の味だな」なんて妙なことが浮かんだ覚えがある。

事故直後はホントに実感が無くて、結構しっかりしているし冷静であったりする。
それは脳がちゃんと理解していないうちに時間が進んでいく感じである。
数ヶ月ぐらいたって、事が主観的に咀嚼されはじめる。
それは僕なりに、兄なりに、そして父なりにといった具合に。
加害者に対しては、もうすでに恨む気持ちなど無い。
不思議だが、気の毒にさえ思ってしまう。
今回のJR事故においても、加害者と想定されがちな運転士の両親のことを思えばあまりにも辛い。

あれから10年以上たち、いろんな事があったけど残された僕ら家族は幸せに暮らしている。
妻をはじめ多くの人々の助けを受けて生きてきた。
素直に感謝の気持ちをもてることにおいて何故だか母に感謝してしまう。
なんか彼女が最後に教えてくれたことのような気がする。
アクシデント_c0010769_057155.jpg

メルモと歩いてそんなことを思った。

本当にご冥福をお祈り致します。
同様の体験者として、取材等でクローズアップされ演出されている遺族の方々を
観て、とにかくもう少しそっとしとあげてほしく思う次第です。

by kkmelmo | 2005-04-28 01:00 | daily scene


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