2006年 11月 17日
平野君
小学校6年生の時同級生に平野君がいた。
ちょっと平野君を記憶とともに描写します。
髪は柔らかい巻き毛(柔らかい天然パーマかな)
肌はそれはそれは透き通るごとく白い。
ちょっと目が細くて唇が厚いけど優しい顔つき。
今思えばその優しさは、いつも絶やさない口元のプチ微笑みからインプットされているのかも。
彼は確かあんまり成績は良くなかったし、なんたって運動オンチ。
白い綺麗な体操着(僕のは汚かったし破れてた)でドカドカ走っていた。
おっとりした性格でたとえば会話においても返事に結構時間がかかるタイプだった。
でもその口元はやっぱり優しいプチ微笑みがあって、不思議と健気にみんな彼のペースを尊重した。
昨今のいじめの状況を鑑みたときに平野君は典型的にいじめられるキャラだったと思える。
でも彼がいじめられていた記憶は全くない。

僕はそんなに仲が良かった訳でもないけど彼のことはこの歳になっても強烈に覚えている。

自然に同じ地区だったから同じ地元の中学校に通うことになった。
中学校に入学してクラブ活動を選ぶのはちょっとしたイベントである。
つまりみんな割と初めて自分の指向性や興味や展望をプレゼンし合うことになる。
僕は水泳部と剣道部と軽音楽部(エレキ禁止!?)をうろちょろしていた。
そんな中、なななんと平野君は陸上部に入った。
たしか同じ小学校からやって来たヤツらの中では結構話題になったはずだ。
僕も「おい平野〜〜、あのね陸上部ってわかってる??走るんだよわかってんの?」
なんて冷ややかに心の中で語りかけた。
でも当然平野君の中学入学を契機にしたトライアルスピリッツをみんな何気に感じていた。
でも既に中学生なりの「現実は厳しいよ〜〜っ!」て具合の冷めた論評も装備していた。

その後の平野君は、ただただ毎日グランドをひたすら走り続けた。
みんなの予想を遙かにこえるけど、彼らしい静かなガッツを感じさせながら走っていた。
最初はぎこちなかった競技ウェアもだんだんフィットしていった。
そしてそれは小学校の時の体操着とは違い、格好良く汚れていった。
あんなに白かった顔色も毎日の練習で真っ黒になり、
ふっくらとした顎も尖ってシャープになり明らかに精悍な顔つきになっていった。
そう平野君は必死で自分を改造していた。
それは周りや親から言われたんではなく、自らの何らかの克服のために走ることを選んだようであった。
確か3年生の時には100メートルを12秒台前半で走ったと評判になっていた。
最終的に部長になり試合前にダッシュをする彼の姿をグランドで見つめ、僕はかなりショックを覚えた。

平野君は多くの仲間に「やればできる」という古典的な教えをシンプルに示したくれた。

「頑張る」ってことが格好悪いと思いがちな年頃であったが、平野君の格好良さはみんな認めた。
別にその後平野君はオリンピックに出たわけでもないが、
僕にとって記憶に残る競技者であることは確かである。
c0010769_2424412.jpg

僕は小学校の時から平泳ぎの選手であった。
ツジ先生に徹底的に平泳ぎを鍛えられた。(それまでは泳げなかった)
ゆえにクロールが下手である。
もちろん泳げるけど、フォームと持久力がまったくダメである。
つまり基礎ができていない。
ということでジムのプールで格好良く美しくクロールを泳ぎ続けるオバーチャンに憧れて、
最近マジメにクロールの練習をしている。
イケメンの日体大生のフナハシ先生に基礎を教えて貰いひたすらプールに通っている。
別に試合や試験があるわけでもない。
毎回「もう、いいや」って水中で諦めそうになる。

そんな時僕はあの平野君の優しいプチ微笑みを思い出す。
[PR]

by kkmelmo | 2006-11-17 02:56 | daily scene


<< 東京で犬と暮らすということ      携帯日記 「スタバ・フリーク」 >>