2007年 01月 12日
美しい国
父のケアをするK病院13F神経内科には多くの看護師さんがいる。
みんな若くてとにかく明るい。
まあ大阪の病院だからキャラも関西乗ノリだけど、凄く礼義正しく献身的だ。
かなり危険な状態だった父は、見事に回復に向かっている。
担当の朝山レジデントは「あまり例のない回復です」と仰ってくれた。
そんな父に看護師さん達は、徐々に愛を伴った厳しいモードになりつつある。
つまり全てがリハビリという考えからくる「なるべく自分でさせる」というモードである。
歩行、会話、食事、排泄、入浴。
日常では無意識に当たり前になされる行為すべてが、今の父にとってはリハビリ対象である。
「えっ、大丈夫かな・・・?」なんて弱気な僕はビビってしまうが、
彼女たちは「さあ、やりましょう!!」って細心の注意を払いながら父に行動を促す。
スピードは当然遅いが、ひとつ進歩すると「やりましたね!!」って父とハイタッチする。
父は孫のような彼女たちに確実にエネルギーをもらっている。
きっとソフトボールをやっていたに違いない小柄な柿チャンと、
美人でぽっちゃりしたわらべチャンが特に父と仲が良い。(僕があだ名をつけた)
そんな彼女たちを観ていて僕はただただ尊敬する。
お陰でベッド上で、老眼鏡をかけて胡座をかいて新聞を読む父は確実に普通に戻りつつある。

神経内科はやはり老人の患者が多い。
父のような脳梗塞からの回復を日々頑張っている方も多くいらっしゃるが、
アルツハイマーや残念ながら痴呆的な症状に陥っている方もいらっしゃる。
どうしても患者やその家族も悲観的になりがちな空間である。
その中で彼女たちの明るい励ましや、献身的な看護がどれほど大事なものかを痛感する。

今週から父は朝からリハビリ病棟で訓練に入っている。
先日僕も初めてその訓練を見学した。
理学療法士の山口先生の優しいアドバイスで父はひたむきに歩行訓練に入っている。
「このぶんだと今週中には歩けますね、ただ焦らずにいきましょう」
そんな先生の言葉に父と僕らは真剣に頷いた。
多くの患者さんが麻痺という恐ろしい症状から自力で脱出しようと頑張っている。
朝日の中そんな患者さん達を理学療法士の先生方がトレーニングしている。
僕は、素敵な職業だなって素直に思った。

阿部さんは「美しい国」を連発している。
でも毎日子供が自殺をし、切断された死体が街中にでてくる。
政治家は不明瞭な金の操作を相変わらず続けているようだ。
東京で日常のそんな情報に囲まれて暮らす僕にはなかなか「美しい国」は実感できない。
でも先日見学させて貰った朝日の中のリハビリセンターの景色は美しかった。

きっとそんな空間が増えていけば、日本は「美しい国」に近づける気がする。
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by kkmelmo | 2007-01-12 01:12 | daily scene


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