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2006年 08月 26日
松本清張
先日仕事で関西に行っていた。
暑いとはいえ東京の暑さは大阪、京都に比べたらカワイイものであった。
なんかこう外を歩くということが結構根性のいる作業な感があった。
それはもうたまらないというか、服を着てサウナに入っている感じであった。

せっかくだし実家に寄った。
親父の様子を見るのと、亡き母の墓参りを予定してのことであった。
残念ながら後者はあまりの暑さに諦めた。
ご免なさい、オカン・・・。
(実は早実VS駒苫を見ていて15回までテレビの前から動けなくて行けなかった)
すまん、オカン・・・。

実家に帰ると2階の本棚を探る。
兄貴の残した膨大な蔵書や、親父が買いそろえてる本を探るのが楽しい。
ちょうど読んでる本が途切れてたし。

僕は中学生の時に松本清張にはまった。
最近テレ朝のお陰でちょっとした清張ブームらしいが、当時は完璧にオッサンの本であった。
友達には妙に恥ずかしくて隠していたけど、僕は松本清張ワールドが大好きだった。
ほぼ全部読んだと思う。

彼は朝日新聞九州支社勤務の経歴からよく元新聞記者だと思われているが全くの間違いである。
尋常小学校卒業後、給仕の仕事を経てそこで版下工として働いている。
周りの大卒の記者や社員に対するコンプレックスは、反アカデミズムの下地を作るに充分であった。
41歳のデビューまで両親と4人の子供を抱え悶々とした半生を歩んだようである。
その後の芥川賞受賞からの膨大な仕事量と濃厚な作品群は、昭和の文壇での圧倒的な存在感であろう。
多岐に渡るテーマとそれを裏付ける取材力は凄かった。

親父の本棚から「ゼロの焦点」を手に取った。
かなりカバーは日に焼けていて、文字も今のように大きくない。
久々の清張ワールドに浸っている。
彼の作品には、重さ暗さそしてエロティシズムが個性的に潜在している。
それらは今の平成の空気感には絶対に存在しない独特のものである。
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「ゼロの焦点」では上野発の長距離列車の発車前の車内の様子をこう表現している。

「車内は明るい灯が満ち、ちょっとした華やかさは、女が外出前の化粧をして待っているようだった」

いかにも松本清張らしい表現である。
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by kkmelmo | 2006-08-26 01:39 | amusement